[ 政治・経済 ]
(2018/12/7 14:00)
政府は7日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を各府省庁や自衛隊で使う情報通信機器から事実上、排除する方針を固めた。2社の製品をめぐって安全保障上の懸念が指摘されていることを踏まえ判断した。複数の政府関係者が明らかにした。
2社の製品は中国政府による情報収集やサイバー攻撃に利用されているとの指摘がある。米国で8月に成立した国防権限法は、全ての米政府機関や米政府と取引する企業を対象に、ファーウェイなど中国政府と関係のある企業の商品の使用を禁止。米政府は日本など同盟国にも同様の対応を要請しているとされる。
ファーウェイをめぐっては、米当局の要請を受けたカナダ当局が幹部を逮捕している。日中関係は改善基調にあるが、中国が日本の対応に反発する可能性もある。
菅義偉官房長官は7日の記者会見で「具体的な取り組みについてコメントは控えたい」と述べ、中国2社の排除を明言しなかった。ただ、「サイバーセキュリティーの向上に向けてしっかり取り組みたい」と強調。政府高官は「名指しはしないが、危ないところからは買わない」と明言した。
サイバーセキュリティーを担当する桜田義孝五輪担当相は会見で「サプライチェーン(部品供給網)リスクなどさまざまな脅威に対応する必要がある。諸外国の動向を踏まえ、必要な取り組みを行っていく」と語った。
オーストラリアとニュージーランドも次世代通信規格「5G」の整備事業からファーウェイなどを排除する方針を示している。(時事)
(2018/12/7 14:00)