[ 政治・経済 ]
(2018/12/25 11:30)
「防衛計画の大綱」に盛り込まれた海上自衛隊の護衛艦「いずも」型改修による事実上の空母保有で、導入予定の米最新鋭ステルス戦闘機F35Bを艦載機として運用する場合、空自の早期警戒管制機(AWACS)を陸上の基地から飛来させ、F35Bが展開する空域の警戒任務に投入する案が防衛省内で検討されていることが23日、政府関係者への取材で分かった。
政府は専守防衛上、攻撃型空母を保有できないとし、同空母の要件の一つに警戒管制機の搭載を挙げている。いずも型空母には搭載できないが、浜松基地(静岡県)配備のAWACSを用いることで艦載機の能力を補う形だ。
米空母は、空爆などの作戦空域で敵機を探知・識別する早期警戒機を搭載しているが、いずも型は飛行甲板の長さが短く、搭載できない。しかし、政府関係者によると、レーダー施設など防空網が手薄な太平洋側の島しょ部でF35Bを艦載機として運用するには、航続距離が約9000キロメートルに達し、長時間の運用が可能なAWACSが有用との案が浮上している。
AWACSは敵機の飛来だけでなく、水上艦のレーダーでは死角となる水平線以遠の洋上の目標物が探知可能。戦闘機の指揮統制機能も備える。
防衛大綱は、中国の軍事活動について、「太平洋への進出は近年高い頻度で行われ、その経路や部隊構成が多様化している」と指摘。F35Bを搭載したいずも型空母は、戦闘機が発着できる基地が少ない南西諸島や硫黄島、南鳥島間などの太平洋側での運用が想定されている。(時事)
(2018/12/25 11:30)