【電子版】インド、22年までに宇宙へ3人 有人飛行計画を閣議決定

南部アンドラプラデシュ州の宇宙センターから打ち上げられたインドの人工衛星搭載ロケット（16年9月、EPA時事）

【ニューデリー＝時事】インド政府は28日、有人宇宙飛行を22年までに達成させるための計画を閣議決定した。モディ首相は8月の演説で「独立75周年を迎える22年までにインド国民を宇宙へ送る」と宣言しており、目標に向け一歩前進したことになる。実現すれば、ソ連（当時）、米国、中国に次いで4カ国目となる。

　計画では、1000億ルピー（約1580億円）を投じ、宇宙飛行士3人を7日間程度、高度2000キロメートル以下の宇宙空間に滞在させる。事前に2度、試験的に無人宇宙船を打ち上げる。

　インド政府は、日本の新幹線方式を採用した高速鉄道の開業を急がせるなど、独立75周年を飾る事業の準備を進める。一方、来春の下院選を前に、与党インド人民党（BJP）は最近実施された5州の地方議会選で全敗するなど苦戦を強いられている。この時期の有人宇宙飛行計画決定の背景には、壮大な構想で政権の力を示し、党勢を立て直したい思惑もあるとみられる。