[ 政治・経済 ]
(2019/1/2 05:00)
約25年にわたり首相や皇族らを乗せてきた政府専用機が3月末で役目を終える。国際援助や人道支援にも活用され、これまでに100カ国・地域を訪問。引退後は売却や展示などが検討されている。
現機体は米ボーイング社製747-400型で93年に導入された。老朽化が進んだため国内で整備できなくなり、4月に同社製777-300ER型の新機体に役目を引き継ぐ。
安倍晋三首相の海外訪問は、第1次政権を含む7年間で歴代最多の78カ国・地域(延べ176カ国・地域)に達した。第2次政権以降に急増し、そのたびに政府専用機を活用している。
国内での運航も皇族を中心に15回を数え、2000年の九州沖縄サミット(主要国首脳会議)や08年の北海道洞爺湖サミットでも当時の首相が利用。北朝鮮による拉致被害者の家族の帰国(04年)やイラク派遣の自衛隊の往復(04年~)、アルジェリア人質事件での犠牲者の遺体運搬(13年)などの際にも運航した。
引退後の用途については、中古機として売却したり、解体して部品を売り払ったりするほか、管理・運用を担う航空自衛隊特別航空輸送隊がある千歳基地(北海道千歳市)での展示も選択肢に挙がっている。防衛省は民間の意見も参考に引退前に決める方針だ。
新型機は現機体と同様、会議室や事務室、記者会見室などを備える。不測の事態に備え、基本的に予備機と2機で運航される。(時事)
(2019/1/2 05:00)