[ 政治・経済 ]
(2019/1/5 07:00)
【ワシントン=時事】トランプ米大統領は4日、ホワイトハウスで記者会見し、不法移民流入阻止を目的とするメキシコ国境の壁建設に向け、非常事態の宣言も検討していることを明らかにした。民主党が下院で多数派を握り、壁建設費を盛り込む予算編成が望み薄となる中、大統領権限を駆使して実現を目指す姿勢を示した。
トランプ氏は会見で「非常事態を宣言し、極めて速やかに(壁を)建設することもできる。それも一つのやり方だ」と述べた。ただ、議会の承認を得ず、大統領権限で壁建設に予算を振り向けることができるかをめぐっては、専門家の間で疑問視する声が強い。
これに先立ちトランプ氏は、ホワイトハウスで民主党執行部と会談。壁建設をめぐる対立でつなぎ予算が成立せず、一部政府機関で続く閉鎖の解除策を協議したが、合意に至らなかった。
民主党のシューマー上院院内総務は、トランプ氏が会談で「(民主党が譲歩しなければ)極めて長期間、何カ月でも何年でも政府を閉鎖してやる」と述べたと明かした。トランプ氏も会見で発言内容を認め、「そう(長期間の閉鎖に)なるとは思わないが、その準備はしている」と語った。
政府閉鎖は2週間近くに及び、約80万人の連邦政府職員が自宅待機や無給状態での勤務を余儀なくされるなどしている。トランプ氏は壁建設費50億ドル(約5400億円)の予算計上を要求し、これを盛り込まない予算案が議会を通過しても拒否権を行使する構えだ。
(2019/1/5 07:00)