[ オピニオン ]

社説/エコマーク30年 日常的な購買活動で環境保全を

(2019/1/8 05:00)

両手をeの形で地球を抱いたマークの商品を多くの人が見たことがあると思う。eは英語の環境と地球の頭文字。「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という願いを込め、環境保全に役立つと認められた商品につけられるエコマークだ。エコマーク誕生から2月で30年になる。

地球温暖化、海洋のプラスチック汚染など環境問題はいまだにおさまらず、地球規模に広がっている。一人ひとりにできることは限られているが、日常的な購買活動によって少しでも環境保全に貢献することが必要だ。マークを運営する日本環境協会にもエコマークの商品の一層の普及活動を求めたい。

1980年代後半、生活排水やゴミなどによる生活型公害が深刻化するとともに、オゾン層破壊などの地球環境問題が顕在化し始めた。当時の環境庁が環境保全に役立つ商品を選ぶ目安にしようと、ドイツの環境ラベル「ブルーエンジェル」を参考にエコマークを考案、同協会の事業として始まった。

特定フロンを使わないスプレーや文具など7類型46商品を認定して89年に開始。現在ホテルや飲食店などサービス分野に広がった。2008年に古紙パルプ配合率偽装問題があったが、エコマーク認定は順調に推移、現在66類型で約1460社5万774商品が認定されている。

エコマーク30年で世の中に大きな影響をもたらしたのは、缶飲料と印刷インキ、文房具、制服・作業服などだ。缶飲料はプルタブが缶から離れ、自販機の周辺に捨てられ社会問題になった。1社がステイオンタブにしてエコマークを取得、今ではすべてステイオンになった。

印刷インキは大気に放出される揮発性有機化合物を使わないアロマフリーインキで、今はほとんどがアロマフリーである。文房具は再生プラスチックや古紙製品への切り替えで、現在は大半の文房具にエコマークがつき、認定商品で2番目の商品数だ。制服・作業服はペットボトルのリサイクルなどが浸透してきている。これらはエコマークが業界をリードすることで市場自体が変わった事例だ。

(2019/1/8 05:00)

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