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[ 科学技術・大学 ]
(2019/1/22 05:00)
【北京=時事】中国・南方科技大学の賀建奎副教授が昨年11月、遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」技術を使い、エイズウイルス(HIV)に感染しないよう受精卵を操作して双子を誕生させたと主張した問題に関し、地元広東省の調査チームは、賀氏が「個人の名誉と利益のため、国が禁止する生殖目的のゲノム編集を行った」と認定した。別の1人が妊娠中であることも明らかにした。国営新華社通信が21日伝えた。
南方科技大は21日、広東省の調査結果を踏まえ賀氏を解雇することを決めたと発表した。
調査チームによると、賀氏は2017年3月から18年11月にかけて、偽造した倫理審査文書を使って、夫がHIVに感染した8組の夫婦(1組は途中で辞退)を募り実験を行った。このうち2人が妊娠し、1人が双子の女の子を出産。もう1人は妊娠中だという。賀氏は16年6月からひそかに外国人を含むチームを組織したとしているが、関わった個人や組織、資金源などは明らかではない。
ゲノム編集の受精卵への応用は、生まれた子への影響が不明で、次世代以降にも遺伝する恐れがあるため、中国も受精から14日以降の実験を指針で禁じている。調査チームは、賀氏と関係者を「法律規則に基づき厳正に処分する」と強調する一方、生まれた双子や実験参加者の医学観察を続ける方針を示した。
(2019/1/22 05:00)