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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/2/7 08:00)
【ブリュッセル=時事】欧州連合(EU)欧州委員会は6日、ドイツ総合電機大手シーメンスとフランス鉄道車両大手アルストムが計画する鉄道事業統合を禁じると発表した。企業結合審査の結果、欧州の高速鉄道や信号システム分野で「競争が著しく低下する」とし、EU競争法(独占禁止法)に反すると判断した。
統合は欧州大手2社を集約し、中国国有で最大手の中国中車(CRRC)の世界市場進出に対抗する狙いがあり、独仏両政府も実現を後押ししていた。両社は同日、欧州委の決定を受けて声明を出し、「統合は進められない」と表明。大幅な戦略修正を迫られることになった。
欧州委は焦点だった中国企業の影響について、高速鉄道分野では「(欧州市場への)新規参入が近い将来に競争上の制約となる可能性は極めて低い」と指摘。信号システム分野でも、中国勢が欧州で信頼されるまでに多くの時間を要するとの見方を示した。
ベステアー欧州委員(競争政策担当)は記者会見で「(統合は)価格高騰や選択肢減少を招くものだが、適切な解決策は示されなかった」と強調。両社は一部資産やライセンス譲渡などの譲歩案を提示したが懸念払拭(ふっしょく)には至らなかった。
(2019/2/7 08:00)