[ 政治・経済 ]
(2019/3/12 11:00)
【ブリュッセル=時事】メイ英首相とユンケル欧州委員長は11日、フランス北東部ストラスブールで会談し、1月に英議会で否決された欧州連合(EU)離脱案の見直しをめぐって合意した。離脱案を解釈する法的拘束力のある共同文書をまとめ、懸案である英領北アイルランド問題の「バックストップ(安全網)」について、英EU双方が離脱後に代替措置の検討に「最善を尽くす」ことを義務として明記した。
その上で、EUが無期限に安全網を英国に適用できないようにすることを確認した。安全網は、税関検査が不要になるような貿易協定を英国とEUが締結できるまで、英国がEUの関税同盟に残留するという内容。英議会には、安全網がいったん発効すると抜け出せなくなるとの懸念がある。
英政府はこれを踏まえ、12日に英議会で再度、離脱案を諮る。英政府は当初、離脱案の大幅修正を求めていたが、EUは一貫して拒否。見直しが解釈レベルにとどまったことで、与党・保守党の強硬離脱派らの理解を得られるかは不透明だ。
離脱案が再び否決された場合、英政府は13日までに「合意なき離脱」の是非を問う。これも否決されれば14日に離脱延期を議会に諮る方針だ。
メイ氏は会談後の記者会見で、「法的拘束力のある修正を確保した。いまこそ歩み寄り、改善された離脱案に賛成すべき時だ」と訴えた。
(2019/3/12 11:00)