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[ 商社・流通・サービス ]
(2019/3/29 10:30)
アイスランドの格安航空会社、WOWエアが廃業し、数千人の乗客が立ち往生する事態となった。観光業への依存を強めているアイスランド経済にとって、大きなリスクとなる可能性がある。
昨年夏以降に経営破綻した欧州の航空会社はこれで8社となる。燃料コストの変動や、欧州全域に及ぶ価格戦争を引き起こした過剰輸送能力で利ざやが圧迫された。
WOWエアの廃業は、国内の競合アイスランド航空にとっては短期的な安心材料になりそうだ。欧州3大格安航空会社のライアンエアー・ホールディングス、イージージェット、ウィズエアーも、近年人気が急上昇したアイスランドに乗り入れている。
28日に運航が予定されていたWOWエアの全29便はキャンセルとなり、対象便を利用する予定だった2700人に対しては、他の航空会社に問い合わせて別のフライトの利用が可能か確認するよう連絡した。
同社のスクーリ・モーゲンセン会長は従業員宛ての書簡に、「時間切れとなり、残念ながら資金を確保できなかった」と記した。「もっと早く行動を起こさなかったことについて、決して自分を許せない」とも述べた。
このニュースを受け、アイスランド航空の株価は28日のレイキャビク市場で前日比28%高となる場面があった。
アイスランドのベネディクトソン財務相は、国内の観光業を強化する方策を政府は検討していると述べた。政府は28日付の発表文で、WOWエア廃業の経済への影響は短期に限定されるとの見方を示した。(ブルームバーグ)
(2019/3/29 10:30)