[ オピニオン ]
(2019/4/29 05:00)
平成も残すところ2日間。新元号が発表になって以来、多くのイベントが「平成最後」を掲げ、メディアは回顧特集で盛り上がっている。
昭和から平成への改元は、天皇陛下の崩御を伴っただけに、ひたすら慌ただしかった。令和への改元は陽春の気候のせいもあってか、国民の奉祝意識が高まっている。これまでとは少し違う“お代替わり”である。
産業界にとって改元は、システム改修や印刷物見直しといった対応の手間ばかりが話題にされがち。しかし「令和おめでとう」商戦や、訪日外国人客の目に日本独自のエキゾチックな習慣が映ることを考えると、ビジネスチャンスとしてとらえることもできそうだ。
漢籍ではなく国書を新たな典拠としたことも、元号の将来のあり方を変えるに違いない。『枕草子』の「春曙」とか、『平家物語』から「鐘声」とかも元号候補になれるだろうか。あるいは現代風にかな化して「まほろば元年」はどうか。事前予想も一段と楽しくなりそうだ。
単に伝統を墨守するのではなく、時代に応じたイノベーションを交えて広く受け入れられる道を探る。企業経営が目指すものも同じかもしれない。まずは、間もなく始まる令和時代を、よき時代にしたい。
(2019/4/29 05:00)