[ オピニオン ]
(2019/5/1 05:00)
今日から「令和」が始まった。歴史に刻まれる元号発令を、行儀正しくいえば「令和元年とは、日本において西暦2019年5月1日から施行される元号の初年を指す」ということになる。
新元号の発表後はちょっとした狂騒曲。「はじめは違和感があったが、なかなか良さそうな響きじゃないか」と巷(ちまた)の好感度は上々。一方で、さまざまな解説の類が世上を覆った。出典や発案者捜しなど諸説紛々。それもこれも新時代セレモニーと考えるしかないのだろう。令和を迎え、ここらで「綸言(りんげん)汗の如し」と元号論を終えたいものだ。
新天皇は即位を控えた今春の歌会始でこう詠まれた。『雲間よりさしたる光に導かれ われ登りゆく 金峰(きんぷ)の峰に』。春は昼間に始まり、秋は夜忍びよるといわれるが、令和は盛春のやわらかい陽光の中でやってきた。
そして節目を迎えた日本と日本人。祝福するように、列島には色とりどりの花々が咲き、鳥が歌い、蝶が舞う。光とともに風が海を渡り、青葉の上を吹き通る。
戦争の昭和、自然災害の平成などという。令和は宇宙と科学技術が主役かも知れない。地球外の生命体や人工知能とどう交わるのか。「よい」の意味もある令。天にも、地にも、人にも安寧であってほしい。
(2019/5/1 05:00)