【電子版】独ティッセン、印タタとの鉄鋼事業統合を断念 欧州委の承認困難

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  ティッセンクルップの本社（15年6月、ドイツ・エッセン＝ブルームバーグ）

【フランクフルト＝時事】ドイツ鉄鋼大手ティッセンクルップは10日、インド同業タタ・スチールと欧州の鉄鋼事業を統合する計画を断念すると発表した。計画が実現すれば、世界最大手のアルセロール・ミッタルに次いで欧州2位の規模となるはずだったが、欧州連合（EU）欧州委員会の独占禁止当局の承認を得るのが困難と判断した。

　ティッセンとタタは2017年9月に、合弁会社を設立し、欧州の鉄鋼事業を統合することで合意したが、欧州委の独禁当局が難色を示していた。

　また、ティッセンは、18年9月に発表していた会社分割計画についても撤回する方針を表明した。計画では、エレベーターや自動車部品など産業機械を扱う会社と、鉄鋼など素材事業を扱う会社に分割する予定だった。計画の撤回を受け、今後はエレベーター事業の新規株式公開（IPO）を目指す方針。