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(2019/5/13 05:00)
【北京=時事】中国が軍事用飛行ロボット(ドローン)の開発を加速している。北京で最近開かれた軍事技術見本市で自爆型ドローンの発射装置を備えた車両を展示。中東などでは中国製ドローンが実戦で使用されていると伝えられており、急速に性能を向上させているもようだ。
今月6-8日に開催された「北京国際軍民両用装備展覧会」。軍用車両メーカー「北京中資燕京汽車」が出展した軍用車両に注目が集まった。一見すると全長約6メートルの大型四輪駆動車だが、攻撃する時に天井が開き、12の筒型発射装置から自爆型ドローンが飛ぶ。
共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版によると、この車両は攻撃用と偵察用のドローンを搭載する。攻撃用は2キログラム以上の爆発物を運び、時速180キロメートルで目標に当たり、軽装甲車の破壊が可能。偵察用は1時間以上連続で飛行できる。開閉式の発射装置は「通常の車両と見せ掛けて、敵の意表を突く効果」を狙っているという。
中国はドローンの輸出に力を入れており、今回の見本市でも多くの企業が軍事用ドローンを展示した。軍需関連企業幹部は記者に「われわれのドローン技術は世界トップレベルだ」と語った。
中国はドローンの輸出規制に関する国際枠組みに入っていない。中国製は安価なこともあり、中東を中心に販路を拡大してきた。2日に公表された米国防総省年次報告書は「中国は(ドローン輸出で)ほとんど競争に直面することがない」と指摘した。
同報告書は中国の輸出先として、ミャンマー、イラク、パキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)を挙げた。中国はこれらの「顧客」が実戦で使用した結果も踏まえて、ドローンの改良を重ねているとみられている。
(2019/5/13 05:00)