[ ICT ]
(2019/5/17 10:00)
【シリコンバレー=時事】ソニーと米マイクロソフト(MS)は16日、クラウド型のゲーム・映像配信で提携すると発表した。娯楽産業ではインターネット経由のストリーミング(逐次再生)方式で機器を選ばずに楽しめるサービスが台頭している。家庭用ゲーム機では長年ライバル関係にある両社がゲーム業界の構造変化を見据えて手を結んだ。
両社が締結した覚書では、MSの法人向けクラウドサービス「アジュール」を基に、それぞれのゲーム・映像配信サービスに応用できるクラウド技術の共同開発を検討する。またソニーのゲーム・映像配信にアジュールを活用する。
クラウド型ゲームをめぐっては、ソニーが2014年に「プレイステーション(PS)ナウ」で先行し、MSも年内に試験配信を始める方針。クラウド事業でMSと競合する米グーグルも年内の参入を表明しており、今回の提携はグーグル包囲網を築く狙いがありそうだ。
さらに高精細な映像処理に欠かせない半導体や人工知能(AI)の分野でも協業する。ソニーの家電製品にMSのAIを搭載することや、画像センサー技術の共同開発を検討する。ソニーの吉田憲一郎社長は「相互補完的に最先端技術を活用することが社会に新たな価値を創造することにつながる」とコメントした。
(2019/5/17 10:00)