[ オピニオン ]
(2019/5/28 05:00)
今春、春秋子がミャンマーで日本語を教えていた友人の墓参で訪ねたヤンゴンでは、若者の親日感が薄れた感じだった。
今4月期、ミャンマー学生の日本語学校の入学許可を示す在留資格認定証明書の交付率(東京・関東地区、日本語教育振興協会の中間報告)が申請に対し数%で、数年前の約90%から激減したのが影響したようだ。
法務省入国管理局(現出入国在留管理庁)は、違法な長時間労働が多発し、一部の国の審査を厳格化した。一方、中国の学生の交付率は99%。この違いについて、東京入国管理局のある幹部は「中国は裕福になり安心だ」と説明した。ただ複数の日本語学校によると、違法行為に関し国による違いはほとんどないという。
東京都内の日本語学校のある理事長は「特定国の学生を労働者として新在留資格取得に誘導している」とみる。「日本は金が好きだ。私たちを見下している」と話すのは学業優秀で裕福な家庭のヤンゴン女性だ。彼女は日本留学を断念し、英国の大学に進学した。
安倍晋三首相のミャンマー訪問を機に日系企業の進出が増え、親日ムードも高まった。しかし、一部の国の学生に対する日本の不公正な対応が続くと、日本離れが加速しかねない。
(2019/5/28 05:00)