[ ICT ]
(2019/6/19 11:00)
フェイスブックが商取引から送金まであらゆる決済に使用できる新しい仮想通貨を2020年にも導入する計画に、米議員らが難色を示している。米下院金融委員会のウォーターズ委員長は、議会と規制当局が調査できるまで、仮想通貨の開発を中止するよう同社に要請。他の議員は公聴会を要求し、「リブラ」と称される新仮想通貨が適切な監視を受けるかどうか疑問を呈した。
議会の厳しい姿勢は、ワシントンですでに深い懐疑論に直面しているフェイスブックのような巨大企業が、仮想通貨など規制面で物議を醸すビジネスに進出することのリスクを示している。フェイスブックは、利用者データ保護が不十分との疑惑に依然揺れている。
ウォーターズ委員長(民主、カリフォルニア州)は声明で、「フェイスブックは何十億人のデータを持ちながら、データの保護や慎重な使用を無視する姿勢が繰り返し見られた」と指摘。「仮想通貨を開発する計画の発表により、フェイスブックは歯止めのきかない事業拡大を続け、ユーザーの生活に手を広げつつある」と述べた。
下院金融委で共和党トップのマクヘンリー議員はウォーターズ委員長に公聴会の開催を求め、議会は「うわさや臆測を越え、このプロジェクトと世界金融システムへの前例のない潜在的影響を検証する討論の場を提供する」必要があると訴えた。
議員の間では、消費者の仮想通貨が盗まれたりマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されたりするリスクなどに特に懸念が示されている。
フェイスブックで仮想通貨・ブロックチェーンの取り組みを主導するデービッド・マーカス氏は先週、ブルームバーグに対し、複数の国の規制当局および中央銀行と接触していると述べ、「利害関係者として早期にプロセスに関与してもらい、意見を早めに得たかった」と語っていた。
米議会からの18日の批判を受け、フェイスブックの広報担当者は「このプロセスが前進する中、議会からの質問に喜んで回答していく」と述べた。(ブルームバーグ)
(2019/6/19 11:00)