[ ICT ]
(2019/6/22 08:00)
【ワシントン=時事】米商務省は21日、安全保障上のリスクが高い外国企業のリストに、次世代スーパーコンピューター開発を手掛ける中国の大手企業5社を追加すると発表した。米企業との取引を事実上禁じる。
20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に際して行われる米中首脳会談を前に、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)制裁に続く新たな強硬策を打ち出した形で、先端技術をめぐる米中の覇権争いは一層激化しそうだ。
次世代スパコンは、核兵器やミサイル防衛システム、暗号技術に大きな影響を及ぼすため、米中両国が開発競争にしのぎを削っている。商務省が発表した措置の対象は、中国政府系のスパコン開発大手である曙光信息産業や、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)と合弁を組む天津海光先進技術投資など。24日に官報で正式に通知する。
商務省が安保を脅かすと判断した外国企業と米企業が取引する場合、米政府の許可が必要となる。許可申請は原則、拒否される。
曙光は世界有数のスパコン開発企業。商務省は同社の製品が中国政府や軍事に利用されていることを問題視した。5月中旬にはファーウェイをリストに加えた。
米企業との取引を禁じられた対象企業は、米国の技術の利用や部品調達ができなくなるため、経営に影響が出るとみられる。トランプ政権は、中国政府が巨額の補助金をつぎ込むハイテク産業育成戦略「中国製造2025」を警戒し、貿易協議で見直しを求めている。
(2019/6/22 08:00)