[ オピニオン ]
(2019/7/4 05:00)
東京五輪のチケット購入のニュースを見てあらためて最近の消費動向について考えた。高額なのに何枚も申し込み、総額が数十万円になる人が結構いた。最高30万円もの開会式が当たったと喜んでいたのも普通の人。そんなに財布のひもって緩かった?
バブル崩壊以降、モノが売れない時代が続き、昨今のシェアリング経済でそれがますます加速する。消費増税が間近に迫り、中長期では少子高齢化に人口減少と消費が上向く要因は見当たらない。
最近はモノではなく“コト消費”が盛ん。旅行や食事、観劇・ライブ、カルチャースクールで自分を磨くことにはお金を惜しまない。外国人観光客の目的も以前の“爆買い”から日本の文化・風習を楽しむ体験型に移っている。
日本の産業の強みは今もモノづくりなのは間違いない。ただ過度にこだわりすぎると、モノが売れない時代、持続的な成長は続けられない。昨今の消費動向を考えれば“コトづくり”のためのモノづくりという視点が必要なのかも。
日本のモノづくりの最高傑作の一つ、ソニーのウォークマンは外で歩きながら音楽を聴くという“コトづくり”でもあった。さまざまな“コト”を創造して消費者の財布のひもをドンと緩めたい。
(2019/7/4 05:00)