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[ 商社・流通・サービス ]
(2019/7/5 05:00)
米配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズの最高経営責任者(CEO)は、日本での事業拡大に意欲的だ。今後1年で社員の採用を強化し、成長余地が大きいとみる料理や飲み物の配達サービス事業では高齢者層を積極的に活用する青写真も描く。
ビジネスと雇用、早いペースで成長させる
ダラ・コスロシャヒCEOは3日、都内でブルームバーグの取材に応じ、「日本はGDP(国内総生産)の規模からみてとても重要で、ものすごい潜在力がある」とし、「ビジネスと正規社員の雇用両方をかなり早いペースで成長させる」と語った。
日本では現在、東京や大阪、京都、名古屋といった主要都市でアプリを通じたタクシーなどの配車サービスを展開している。スマートフォンで受けた注文を自転車や徒歩で運ぶフードデリバリー(ウーバーイーツ)では和食や中華レストランの料理をはじめ、ファストフード、ドリンク、スイーツを配達しており、ともに地域とサービス内容の拡充が今後の課題だ。
コスロシャヒCEOは配車サービスについて、タクシー会社の加盟社数を増やすほか、サービス地域の拡大を目指す意向を表明。現在100人いる社員を3割以上増やし、アカウント管理や営業部門の増強を図る方針を示した。
ウーバーイーツについては、「日本では爆発的に成功していて、『ウーバー』ブランドを広めるのにとても効果的だ」とみている。さらに、全人口の7割が利用可能な米国に比べ、日本の比率は15%にとどまっており、拡大余地があると同CEOは言う。今後は「配達パートナー」を増やすため、少子高齢化が進む日本で高齢者層を採用し、健康維持も兼ねて徒歩で配達してもらうアイデアも披露した。
孫社長は特別な存在 成長戦略を議論
ウーバーは5月にニューヨーク証券取引所に株式を新規上場した。直後に急落する場面もあったが持ち直し、6月28日には上場来高値を更新。3日時点の時価総額は約8兆円となっている。筆頭株主は13%を保有するソフトバンクグループだ。
今回の来日でコスロシャヒCEOは、ソフトバンクGの孫正義社長と会談。孫社長が関心を抱いていたのは投資の「出口」ではなく、ウーバーの今後3年間やその後の成長戦略だったという。「彼との時間は自分の考えを広げ、このビジネスの究極の可能性について考えさせてくれる。私たちにとって特別な株主であり、それ以上に偉大なアドバイザーだ」と孫氏について語った。(ブルームバーグ)
(2019/7/5 05:00)