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[ 科学技術・大学 ]
(2019/7/19 20:30)
【北京=時事】中国の宇宙実験室「天宮2号」は19日夜、大気圏へ再突入する予定だ。ただ、共産党機関紙が「任務完成」を伝えた1時間半後に、当局が「(まだ地球を回る)軌道上にある」と報道を否定するなど、情報が錯綜(さくそう)した。昨年の「天宮1号」落下時に続く混乱となった。
昨年4月に「天宮1号」が落下した際は、予想落下地点が二転三転し、世界を振り回した。今回は国営メディアの報道が混乱を招いた。
人民日報(電子版)は同日午後4時(日本時間同5時)すぎ、中国有人宇宙プロジェクト弁公室の情報として「天宮2号が19日、大気圏へ再突入し、少量の残骸が南太平洋の予定海域に落下した」と伝えた。
しかし、同5時40分、国営中央テレビが同弁公室の「公式発表」として「午後5時半現在、天空2号は上空190-370キロメートルの楕円(だえん)軌道上にある。今晩タイミングを見て制御下で再突入させる」と報道。人民日報もこれを転載した。
天宮2号(全長10.4メートル、最大直径3.35メートル)は、2016年9月に打ち上げられ、有人飛行船や無人補給船とのドッキングなど予定された全ての実験を完了した。
中国は天宮をひな型に有人宇宙ステーションを開発中で、20年には飛行士の生活・作業空間となる「コアモジュール」の打ち上げを計画。その後、二つの「実験モジュール」を加え、22年ごろの運用開始を目指している。
(2019/7/19 20:30)