[ 政治・経済 ]
(2019/8/8 10:00)
【ワシントン=時事】トランプ米政権は7日、昨年8月に成立した「米国防権限法」に基づき、米政府機関が中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)を含めた中国企業5社から製品を調達することを禁じる規制を今月13日に発効させると発表した。ファーウェイに対する厳しい締め付けに中国政府が反発するのは必至で、先端技術をめぐる米中対立が先鋭化しそうだ。
国防権限法の概要は昨年発表済みで、7日に運用規則を公表した。サイバー攻撃やスパイ行為といった安全保障上の懸念が導入の狙い。政府調達の対象から除外する企業は、ファーウェイのほか、通信機器大手の中興通訊(ZTE)、監視カメラ大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、海能達通信(ハイテラ)。
国防権限法は、米政府調達から中国企業を排除する手続きを2段階で進める。まず13日から中国5社との直接取引を禁止。来年8月以降は、5社の製品を使う外国政府や企業・団体との取引も禁じる予定で、日本にも影響が及びそうだ。ファーウェイは同法が米憲法に違反するとして連邦地裁に提訴した。
国防権限法とは別に、米商務省は今年5月に米民間企業とファーウェイとの取引を事実上禁じる規制を導入した。トランプ大統領は6月末の米中首脳会談でファーウェイへの制裁緩和に言及したが、中国側は実行されていないとして不満を募らせている。
(2019/8/8 10:00)