(2019/11/13 05:00)
「府中焼き」をご存じだろうか。東京と広島で同名の府中市のうち、広島県の府中市発祥のお好み焼き。豚バラ肉ではなく、豚や牛のミンチを使う。知る人ぞ知るB級グルメだ。
全国的に名高い広島のお好み焼きはフワッとした仕上がりだが、府中焼きはミンチの脂をギュッと押さえて焼くためカリッとした食感。旧国名を冠して「備後府中焼き」とも呼ばれ、専門店がいくつもある。リョービや北川鉄工所などの地元企業が、来訪者のおもてなしに使うことも。
地域振興の目的で府中商工会議所が東京・神田にアンテナショップを開設したのが2017年。地元産品の物販ブースも併設しているが、なんといっても店の中核は府中焼きブースだ。飲食店がひしめく東京のビジネス街で認知度を上げた。
ご当地グルメの祭典と銘打った「B―1グランプリ」が23日から2日間、兵庫県明石市で開かれる。「B」はあくまで地域ブランドの意。全国の自治体が連携して開催しているが、全国大会は4年ぶり。府中焼きも参戦し、栄冠と一段のメジャー化を目指す。
読者のみなさんも、知られざる逸品を探しに訪ねてみてはいかが。食欲の秋たけなわだが、“グルメのしすぎ”にはくれぐれも気をつけて…。
(2019/11/13 05:00)