(2019/12/16 05:00)
年の瀬を迎え、東京都心の道路は渋滞が目立ってきた。書店の店頭は、新年の手帳やカレンダーを求める人でにぎわう。
営業をはじめ、最前線のビジネスマンは、取引先へのあいさつに忙しい。手土産代わりの定番はカレンダー。ひと昔前より数こそ減ったが、毎年、同じ相手から頂くものを待ち焦がれている方も多いのではないか。
利用する側の視点では、今の時期のカレンダーの掛け替えは微妙だ。翌年の日付が気になり始めるのは10月頃。インターネットで暦をプリントアウトして、12月の先に貼って使うこともある。いつの頃からか「15カ月予算」ならぬ、翌年3月までの「15カ月カレンダー」を常用するようになった。
日本製薬工業協会は今年、会員企業から取引先への贈り物を禁止した。国際団体の規定を受け入れたもので、ボールペンやメモ帳、そしてカレンダーなど低額の儀礼的なものも禁止対象。「仕方ない。今年から自分で買うよ」とかかりつけの病院の医師は嘆く。
若年層では手帳もカレンダーも使わず、スマートフォンで日程を管理する人がいるそうだ。絵柄や使い勝手を論じるどころか、ビジネス慣習としての「カレンダーの季節」が時代遅れになるのかもしれない。
(2019/12/16 05:00)