(2020/3/20 05:00)
新型コロナウイルス感染症に対する追加の経済対策として、与野党や中小企業団体などから生活困窮世帯や中小・個人事業主、フリーランスへの所得支援の必要性を訴える声が強まっている。政府は所得支援などについて、過去に行った商品券配布や現金給付などの効果を検証しているが、経済学者らからは、現金給付と所得把握を併せて行うべきだとの提言も出ている。(総合1参照)
小林慶一郎東京財団政策研究所研究主幹、佐藤主光一橋大学国際・公共政策研究部教授ら経済学者有志が18日に発表した緊急提言では、「給付は本当に困っている人に重点化することが公平にかなっている。(中略)当該者に対して直接的に支援を施すことが望ましい」と主張する。さらに情報通信技術(ICT)を活用し、タイムリーな所得情報を収集することも必要だとしている。
同提言は中小企業支援について「雇用を確保する観点からも中小・零細企業の資金繰り支援は当面の間の緊急措置として、やむを得ない」とする。その上で「もともと経営状態の悪い企業を助けてしまうことは、経済全体の効率性にとって望ましくない」(小林氏)と注意を促す。1923年の関東大震災時に、復興のために発行された震災手形は多くが不良債権化したことなどを教訓とすべきだとの理由からだ。
一方で、株価下落など金融市場の混乱に対応した金融政策は、マイナス金利下においては対応手段が限られる。日銀の黒田東彦総裁は、参院予算委員会の質疑などで「経済が悪化したら、追加的な措置をとることになる」と述べたが、日銀がさらなる上場投資信託(ETF)などの買い増しやゼロ金利の深掘りをしたところで、どれだけ市場の動揺が収まるかどうかは未知数だ。
(2020/3/20 05:00)
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