社説/きょうから大型連休本番 “新常態”時代考える機会に

(2020/4/29 05:00)

この大型連休を、新型コロナウイルスの感染を収束させ、新たな時代への変化を考える最大の機会ととらえ、ステイホームを実行したい。

きょうから大型連休が本格的に始まる。在宅勤務が困難で、出社を余儀なくされていた企業でも、きょうから連続休暇となるところも多いだろう。

日本が選択した新型コロナとの闘いは、世界の中でも異色だ。中国は人権上問題となるほど強力に外出禁止や交通の封じ込めをした。欧米諸国も外出制限を課し、違反者には罰金や罰則処分をとる国もあった。

それに対し、日本は自粛という緩やかな対応である。海外からは「日本のやり方では手ぬるい」という批判もある。強制的な措置がとれないのは法律の不備という指摘もあるが、国民が政府や自治体の要請に応え、自粛でも十分に自制する高い意識を持っているのだと信じたい。

大型連休中に外出自粛を徹底し、人と人との交流を8割削減する。それができず、連休明けに感染者数が急増し、医療崩壊に至るような事態となれば、より強力な措置が必要となり、諸外国からも、「やはり日本の政策は無理だった」とのそしりも受けるだろう。

感染拡大のピークを越えた国では、経済活動の再開も始まっているが、日本はその動きに取り残されるかもしれない。

新型コロナウイルスは世界を大きく変え、「ニューノーマル(新常態)」を迎えると言われている。国も国民も企業もあらゆる面で見直しが行われるだろう。新たな変化に対応できなければ、淘汰(とうた)の波にさらされる。

困っている人に迅速に支援の手が行き届かず、テレワークに苦労する状況を見るにつけ、日本は危機管理への対応力が弱いことや、デジタル化に立ち遅れていることも顕在化した。どこをどう正していくべきなのか。しっかりと見つめ直していかなければならない。

ニューノーマル時代に、自分は、社会はどう変化し、立ち向かっていくのか。大型連休の間にゆっくりと考えてみてはどうだろうか。

(2020/4/29 05:00)

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