(2020/9/9 05:00)
「国の設計図を書き換えるグレートリセットを」(石破茂元幹事長)、「アベノミクスを継承し、改革を進める」(菅義偉官房長官)、「公益に資する資本主義への転換」(岸田文雄政調会長)。
安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が8日に告示され、予想どおり石破、菅、岸田3氏が立候補した。所見発表演説会で3候補それぞれに国民、地方への思い、経済再生への考えを述べた。
あえて序列は言わないが、訴える力には歴然とした差があった。もちろん、国民が求めているのは、演説のうまさではなく、逆風であろうとも言ったことを実現できる“実行力”である。
8日発表の国内総生産(GDP)改定値は、実質で年率換算28・1%減と、8月の速報値から0・3ポイント悪化した。設備投資や住宅投資の悪化を踏まえ、戦後最悪の下落幅をさらに深掘りした。景気回復への具体的な施策はまさに待ったなしだ。
総裁選は14日の両院議員総会で新総裁を選出。16日召集の臨時国会で実施する首相指名選挙で新首相が選出される。新型コロナウイルス対策、経済成長、デジタル化にどう立ち向かうのか。投票権はなくとも、3氏の国を改革する実行力を、全国民が見比べている。
(2020/9/9 05:00)