(2020/9/15 05:00)
日本だけでなく、米国や世界に感動を与えた勝利だった。大坂なおみがテニスの全米オープンで、ベラルーシのビクトリア・アザレンカを破り、2年ぶり2回目の優勝を果たした。第1セットを落としながらも、粘り強く戦い、勝利を手にした。
大坂は初戦から毎回、人種差別被害にあった人の名前を記した黒マスクを着用し、社会への抗議の気持ちを示していた。「マスクは決勝戦まで7枚分を用意した」と発言し、実行したことに、並々ならぬ決意が感じられた。
スポーツの場で主義主張を表明すべきでないという意見もあるが、大坂の行動を多くの人々が支持した。実際彼女が勝ち進むにつれ、世の中の関心も高まっていった。
彼女が強くなったのは、新型コロナウイルス感染症により、試合ができない中でも、心身両面を鍛える努力を地道に続けていたからだ。左右に振られてもぶれない体幹と、窮地に立たされても自分の気持ちを冷静に保つ心の強さを獲得した。
2年前の全米でセリーナ・ウイリアムズを破って初優勝を遂げた時は、「こんな終わり方になってごめんなさい」と泣きそうな声で言っていたのが、今回は堂々たる姿だった。成長したなおみを心から祝福したい。
(2020/9/15 05:00)