産業春秋／年賀状

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか届いた今年の年賀状。忘年会、新年会など会食の機会が激減し、人と話をすることが少なくなったため、賀状から差出人の様子を知ろうという思いが強くなり、気持ちを込めて文面に目を落とした。

仕事関係の賀状のほとんどは「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします」という例年と同じ内容。あえてコロナに触れないことで「何事もない年になってほしい」との願いを感じた。

友人、知人からの賀状は対照的。「打倒　コロナ！」をはじめ、コロナに立ち向かう姿勢を率直に表現したものが多かった。いずれも根本には「コロナが一日も早く収束しますように」との強い思いがある。

さまざまな励ましや提案もあった。「健康維持には惜しまず時間とお金をかけよう」「音楽、演劇、映画、美術鑑賞は決して不要不急ではないので、遠慮なく楽しみましょう」などなど。

最も記憶に残っているのは、ある金融機関の首脳から頂いた「平凡であることがいかに非凡なことか感じ入る昨今です」という言葉。平凡を取り戻すために、まずは手洗い・うがい、マスク着用、三密回避に努めて、不自由な状況を乗り越えたい。