産業春秋／若者の力

ある生命保険会社首脳から「最近、忘れていたワクワク感がよみがえる機会があった」と聞いた。マイナビが高校生と大学生を対象に実施したビジネスコンテストでのこと。協賛した生命保険協会が設定したテーマで勝ち抜いた学生チームから生保各社社長に対してプレゼンテーションが行われた。

豊島岡女子学園高等学校のチームは、人生１００年時代に、働き方や生き方が変化するマルチステージ化をサポートする保険を提案。学び直しや転職、起業に積極的に踏み出せるよう、契約者限定ＳＮＳ、展示会、オフ会などの情報提供と貯蓄性保険を組み合わせた。

埼玉県の高校クラスメートによる大学混合チームは、ウエアラブル端末で従業員の心拍状態を常時把握してストレス度を測り、心的疾患による休業補償に加え、データを分析して健康経営を促す企業保険を提案した。

いずれもサービスの普及でより良い社会が実現することに構想が広がる。アイデアそのものに加え、詳細な調査、資料の分かりやすさ、感動を呼ぶ説明などが素晴らしく、各社社長から絶賛の嵐だったという。

コロナ禍で閉塞（へいそく）感がまん延する中だからこそ、若者が真剣に将来を語る姿に胸が熱くなる。