イスカルの防振機構搭載工具による突き出しの長い溝入れ加工【PR】

(2021/5/6 05:00)

―高難度加工と切削工具活用ガイド(2020年度版)より―

写真1 ウィスパーライン(左)と従来の溝入れ工具

 発電機のロータなどの大物部品の深溝入れ加工では、工具の突き出しが長く、加工負荷も高くなるため、加工中のびびり、およびそれに起因した工具の破損や加工面の悪化が問題となっていた。 従来は、「加工条件をかなり下げて加工する」「工具ホルダを減衰性の高い超硬製にする」「仕上げ工程を追加する」などの対策を行ってきたが、いずれも生産性向上やコスト削減を目指す上での妨げとなっていた。イスカルでは加工中のびびりを解消するために、工具本体はスチール製で、ホルダ下あご部に防振機構を搭載した、深溝入れ加工 用の工具「ウィスパーライン」開発した。ウィスパーラインおよび従来品の外観を【写真1】 に示す。

下あご部分にタングステン製プレートを配置

図1 ウィスパーラインの防振部の構造

 従来は、70mm以上の深さの溝入れ加工では加工中に大きなびびりをともなっていた。しかし、 防振機構を搭載したことで100mm の深さの溝入れ加工でもびびりが発生することなく、安定して加工できるようになった。また、深溝入れ加工では、切り屑排出が問題となりやすいが、ウィスパーラインは内部給油対応のため、切り屑排出性も優れている。次にウィスパーラインの防振部の構造を【図1】に示す。工具の下あご部に工具本体の素材より比重が大きいタングステン製のプレートを配置することで、工具に振動が発生したとき、工具本体の振動よりもプレートの振動が遅れて発生するため、振動が相殺され、加工中のびびりが抑制される。また、本工具は突き出し量に応じてプレート間のクリアランスを調整することで、防振効果を調整できる。

ウィスパーラインによる加工

写真2 ウィスパーラインの加工(左)と従来品の(右)加工面

 【写真2】にウィスパーラインの加工(左)と従来品の(右)加工面の写真を示す。本加工ではブレードの突出し量を 110mm に設定。被削材は S45C、回転数は毎分735、送り 0.25mm/revにて 加工を行っている。従来品は、加工面にびびり痕が見られるが、ウィスパーラインは、加工面にびびり痕が見られず、高い防振効果を確認できる。

 ウィスパーラインは突き出しの長い溝入れ加工において、非常に高能率な加工を実現する。

執筆:イスカルジャパン株式会社 マーケティング部 近藤晃弘

出典:雑誌『機械技術』2020年2月号(日刊工業新聞社 刊)より

https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00000925

イスカルのウィスパーライン(WISPER LINE)についてはこちら

(2021/5/6 05:00)

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン