(2021/4/30 05:00)
前年比90%増、同12・5%増、同113・8%増。この景気の良い数字は意外にも今年のゴールデンウイーク(GW)期間中に1泊以上の国内旅行に出かける旅行者数、1人当たりの平均費用、国内旅行総消費額の推計だ。
JTB総合研究所による推計で、昨年のGWと比べると、今年はかなり人の動きが活発になる見通しだ。もっとも2019年と比較すると旅行者数で39・6%、平均費用は90%。総消費額も35・6%で、もちろん回復とは言えない。コロナ禍は前年の同時期以上に厳しさを増していることを考えると、この数字をどう解釈すべきか、迷うところだ。
3度目の緊急事態宣言が発出され、まん延防止等重点措置の対象も拡大された。ただ昨年と違い対象エリアは限定され、対象外の地域がかなりある。
「近場で短期間なら大丈夫」という心理が働いても不思議ではない。平均費用がコロナ禍前と遜色がないのは、感染防止にある程度お金をかけようという考えが反映している。
昨年の6月は、緊急事態宣言の反動と国民全員に一律10万円の給付効果もあり「リベンジ消費」が活発になった。今年もGW後の消費拡大の仕掛けを、官民挙げて考える必要がありそうだ。
(2021/4/30 05:00)