産業春秋／マスクと熱中症

連日のように「熱中症警戒アラート」が各地で発表されている。新型コロナウイルス感染症と熱中症は、初期症状が似ているだけに、対応がやっかいだ。我々は２年続けて同じ悩みを抱えている。唯一の救いは高齢者へのワクチン接種が進んでいることだ。

エアコンを適切に使い、水分を定期的にとる。屋外で人との距離が十分確保できるならマスクをはずす、などの熱中症対策の基本を徹底したい。

マスクも白色と黒色では、マスク内の温度は大きく異なる。黒色は屋外では体温よりはるかに高い温度になる。おしゃれに気をつかう若者も、夏場は白色をお薦めする。冷たさを感じる素材を使ったマスクもたくさん登場している。昨年より選択肢が増えているのも、今年のマスク事情を物語っている。

ワクチン接種が進む国ではマスクの着用義務を解除したものの、感染の再拡大に直面する事例も多発している。国ごとの考え方もあるだろうが、解除方針は早計だったと言わざるを得ない。

まだまだマスクが手放せない生活は続く。それでも、来年の夏こそは、笑顔をたたえた口元が見える日々を取り戻したい。悩みは熱中症だけに一本化できれば対策もとりやすくなる。