(2021/11/9 05:00)
大阪大学名誉教授の長山泰久さんは、交通心理学の体系化の先駆け。その成果はクルマやバイクの運転教育に生かされている。自動車文化の発展に貢献した功績で、2021年度に日本自動車殿堂入りした。
走行時の映像を見ながら危険知覚を評価する「危険感受度診断テストTOK」は、その研究成果の結晶といえる。受検者は20年4月時点で43万人に上る。受検された読者もいるのでは。
バイク事故の増加に心を痛めた長山さんは、その原因を分析した。8割強はクルマが絡み、その6割近くが交差点付近。アイカメラで運転者の眼球運動を比較すると、バイクは遠方の側方から来る対象を発見しにくいと判明した。
1970年に1万6000人を超えていた交通事故死者数は、20年に3000人を下回った。さらに事故を減らしていくには、社会学や大脳生理学と結びついた対策が必要だろう。
今年の自動車殿堂にはトヨタ自動車元会長の豊田英二さん、マツダ元会長兼社長の井巻久一さんら4氏が選ばれた。技術開発や産業の発展など、さまざまな分野で貢献した方ばかりだが、自動車産業の基盤はやはり安全だ。長山さんが脚光を浴びたのは、素晴らしいことだと思う。
(2021/11/9 05:00)
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