(2022/1/21 05:00)
崩壊しかねない社会機能をどう保つか。「オミクロン株」の特性を踏まえた、事業継続につながる対応策を講じたい。
13都県はきょうから新型コロナウイルス対策特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用期間に入る。1月末を期限に適用中の広島など3県と合わせ16都県が対象となり、さらに追加の可能性もある。
飲食店の営業時間短縮を軸とする対策で果たして効果があるのか疑問視する声はある。しかし、今回の政府方針やこれに基づく自治体の対応には明らかな相違点がある。これ以上の感染拡大に直面しても社会経済活動を維持する施策が盛り込まれているからだ。専門家や現場を預かる知事らは「オミクロンの感染力は一気に社会を機能停止に陥れる」と強い危機感を示す。
政府は、ワクチンの2回接種などを条件に行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」は原則停止する一方、対象者全員の陰性結果が確認できれば、飲食店やイベントなどの人数制限などを緩和する仕組みを盛り込んだ。基本的対処方針には「感染拡大を防止しながら日常生活や経済社会活動を継続できるよう取り組む」と明記した。
新たな対策を打ち出す自治体もある。東京都は職場や家庭での感染防止策の一環として、都内のホテルを借り上げ、企業の従業員などが6日間連続滞在し、テレワークできる拠点を整備する。ライフライン維持の観点から、食料品を扱う中小規模のスーパーやコンビニで従業員の1割以上が欠勤する事態に陥った場合、交代要員確保にかかる費用の一部も支援する予定だ。
国内初の感染者が確認されて2年。感染拡大と縮小の波を繰り返し、いま「災害レベル」と称される爆発的な感染拡大局面にある。だが、街から人影が一気に消えた第1波のような強力な措置で、これ以上、経済を疲弊させるわけにはいかない。
だからこそ、一人ひとりが自分は感染しないという根拠のない楽観論を捨て、いつ当事者になってもおかしくないことを自覚し、業務が滞ることのないよう備えたい。
(2022/1/21 05:00)
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