(2022/2/11 05:00)
新型コロナウイルスの感染拡大を阻止しないと、経済の正常化は望めない。
内閣府が発表した「日本経済2021―2022(ミニ経済白書)」は足元の状況を「個人消費が上向き、景気は持ち直しの動き」と分析した。景気ウォッチャー調査の現状判断DIが改善するなど、コロナ禍克服に向けた期待が高まっている。
製造業はアジア諸国の感染拡大による部品不足の影響で、持ち直しが鈍化していた。それも回復に向かいつつある。
経済産業省発表の2021年12月の鉱工業生産指数は、前月に比べて1・0%の低下。これは前月まで2カ月連続で上昇した反動が出たためで、10―12月期でみると同1・0%上昇と2四半期ぶりの増産となった。
さらに21年1―12月の鉱工業生産指数は前年比5・8%上昇と3年ぶりの増産を記録しており、生産は増加基調に転じたと言えそうだ。
また生産予測指数は1月が前月比5・2%、2月が同2・2%の上昇。業種別では電子部品や生産用機械、輸送用機械など多くの業種で増産を見通す。部品調達難の緩和に伴って生産が回復すると見られる。
しかしオミクロン株による感染爆発が顕在化し、アジアにおけるサプライチェーンの混乱が再び生じるリスクが台頭している。当面は、この動向を注視しなければならない。
一方、国内でも感染者や濃厚接触者の増加により生産が減退する恐れがある。このところ国内の感染者数、濃厚接触者数は連日、高止まり状態を続けており、それに比例して職場を離脱する人も多くなっている。こうした状況が製造業の業績に悪影響を与えるのは必至だ。
自治体が「まん延防止等重点措置」にとどまらず、独自の緊急事態を宣言するケースも出てきた。店舗の営業時間を含む企業活動の制限が強化されると、経済の規模が縮小する。
マスク着用、手指消毒といった従来のコロナ対策に加えて、3回目のワクチン接種や治療薬確保を急ぎ、感染対策を強化することが不可欠だ。
(2022/2/11 05:00)
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