(2022/2/17 05:00)
国内初の「UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラム」が6月、奈良県で行われる。和食の良さを発信するだけでなく、地域に眠る観光資源に光を当て「観光交流」を深める場とすべきだ。
国連世界観光機関(UNWTO)が主催し過去6回開催されてきた。「ガストロノミー」は美食学のことで、一般的には「その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などに育まれた食を楽しみ、その土地の食文化に触れることを目的としたツーリズム」と解釈される。
奈良県にはUNWTOの駐日事務所があり、同事務所をサポートするアジア太平洋観光交流センター(APTEC)も奈良県に移転した。UNWTOが地域事務所を置いたのは日本が初めてだった。また奈良県は全国に先駆けて料理人と生産者の両者を結ぶ「なら食と農の魅力創造国際大学校」を発足させ、実学教育を行っている。こうした実績が評価され、世界フォーラムの誘致につながった。
コロナ禍の前は政府や自治体関係者、観光事業者など国内外から600人程度が参加している。従来は主会場のほか数コースに分かれてエクスカーネーション(体験見学会)を行っている。またガストロノミーツーリズムに関するスタートアップによる競技会なども開かれた。
地域の人々と交流しその地域ならではの「食」を味わうことは、単なる「観光」が「観光交流」に進化することでもある。地域とのコミュケーションは地域を理解するカギになる。交流があって初めて地域の食文化を理解することにもつながる。
地域情報はインターネットなどで容易かつ大量に入手できるが現実と大きく異なるケースも多い。リアルな体験に勝るものはない。食と観光を結びつければ新たな観光の形が見えてくるはずだ。
コロナ禍で外国人観光客の来訪は消滅状態にあるが、日本はコロナ収束後に行きたい国の上位に挙げられている。ガストロノミーに磨きをかけ、より高品質で何度でも訪れたい観光地となるような仕掛けを考えたい。
(2022/2/17 05:00)
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