産業春秋/東北地方太平洋沖地震の脅威

(2022/3/21 05:00)

福島県沖を震源とするマグニチュード7・4の強い地震が16日深夜に発生した。福島県や宮城県では最大震度6強の揺れに見舞われ死傷者が出た。東北新幹線は脱線し、首都圏などで大規模な停電が起きた。

東日本大震災の発生から11年を経ても東北地方太平洋沖地震の脅威は続く。気象庁によると、陸側プレートの下に沈み込む太平洋プレートの内部を震源とする逆断層型地震だが、東北地方太平洋沖地震の、陸地近くの余震域内で発生した。

2021年2月に福島県沖で発生した地震も陸地近くの余震域内を震源とした。東北地方太平洋沖地震の震源となった主破壊域は静穏化したが、その外側と陸地近くは活発な状態が続く。

海溝型地震を研究する東北大学の松澤暢教授は東北地方太平洋沖地震の影響に警鐘を鳴らす。「海岸の隆起は100年以上続く可能性があり、最大でマグニチュード8の余震が起こってもおかしくない」。

岩手県の達増拓也知事は、日本記者クラブで会見し「人材育成やノウハウの蓄積、連携広域化のため国の司令塔はあった方がよい」と「防災庁」の必要性を説く。切迫する巨大地震と激甚化する風水害。自然災害多発時代の備えにぬかりはないか。

(2022/3/21 05:00)

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