(2022/3/31 05:00)
4月から複数の改正法が施行され、中小企業も働き方改革や職場環境の向上を求められる。積極的な取り組みにより、貴重な人材の定着と確保につなげたい。
女性活躍推進法が4月1日に一部改正され、中小企業も女性活躍に関する行動計画の策定と届け出、情報公開が義務付けられる。これまで「常時雇用する労働者が301人以上」の企業が対象だったが、「101人以上300人以下」の中小企業に拡大される。女性活躍に関する数値目標や取り組み内容などを盛り込んだ行動計画を都道府県に届け出る必要がある。これら情報は求職者が閲覧できるよう情報開示も義務付けられる。
中小企業にとって人材確保は喫緊の課題であり、女性活躍は今後の成長に欠かせない。デジタル変革(DX)の推進によるテレワークの活用など、女性が働きやすい職場環境の整備が進むことを期待したい。
男性の育児休暇を促す改正育児・介護休業法も4月から段階的に施行される。4月1日からは妊娠や出産を申し出た従業員に、育休制度の周知と休業取得の意思確認が義務付けられる。10月1日施行の「産後パパ育休」制度は最大4週間の育休中でも、一定の範囲でスポット的に働けるよう配慮しており、取得をためらいがちな男性の背中を押す効果を期待できる。女性の就業継続を側面支援することになるはずだ。
パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)も4月1日から中小企業が対象に加わる。企業方針の明確化と従業員への周知・啓発、相談窓口の設置、事態の迅速な確認と行為者への措置、適切な対策などを講じることが求められる。パワハラ防止を就業規則に規定するなど対策を講じ、従業員に安全・安心な職場環境を提供してもらいたい。
燃料費の高騰、先行き不透明なコロナ禍という厳しい環境下、中小企業の中には無理な賃上げを実施してでも人材確保に動く企業が少なくない。処遇改善と同時に、多様な働き方や職場環境の整備も進め、人材争奪で選ばれる企業に近づきたい。
(2022/3/31 05:00)
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