産業春秋/「空振り」を恐れない防災

(2022/8/17 05:00)

北日本を中心に豪雨・大雨など不安定な天候が続く。山形県内で3日に発生した記録的な豪雨では住宅の浸水被害が相次いだが、自治体の迅速な避難指示が効果を上げ、人的被害は軽微で済んだ。この事例に学びたい。

川西町では暗くなる前に住民を避難させるため、3日13時過ぎに土砂災害警戒情報が出ると間髪をいれず会議を開き、避難所の開設準備に着手。同18時20分には避難指示を発令できた。

本年度に導入した一斉情報配信システムは町民に避難を促す強力なツールになった。エリア内ならスマートフォンなどに通知される。過去の大雨と比べ避難者は倍の人数になったそうだ。

町の防災担当者は避難所の開設準備について「空振りを恐れず早い段階から始めることが大事」と話す。日頃培った共助の精神も生きた。自力での移動が難しい高齢者は地域が協力して避難を介助した。

集中豪雨の原因となる線状降水帯。気象庁が6月1日から始めた注意情報の発表は「不発」に。線状降水帯は発生したが、精度の問題から予報はできなかった。緊急地震速報が精度を高めてきたように線状降水帯の予報も「空振り」を恐れず発表していくことが精度向上の原動力になるはずだ。

(2022/8/17 05:00)

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