(2022/9/23 05:00)
政府・日銀が22日、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。米連邦準備制度理事会(FRB)が21日(現地時間)に政策金利を通常の3倍に当たる0・75%引き上げることを決め、22日の外国為替市場では一時1ドル=145円台まで円安が進んでいた。介入により一時同140円台の円高となったものの、じりじりと円安に戻しており、介入効果は限定的とみられる。米FRBは大幅な金融引き締めを継続する方針を表明しており、今後の為替動向を注視したい。
米国は約40年ぶりの歴史的なインフレに見舞われており、景気より物価抑制を重視するのもやむを得ない。米FRBは3会合連続で政策金利の0・75%引き上げを決め、次回の11月会合でも0・75%の利上げの可能性を示唆している。物価抑制への強い決意を示したもので、日銀が22日の会合で現行の金融緩和を維持することを決めたことで、日米金利差の一段の拡大を受けて円安が進行していた。
日本の8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比2・8%上昇し、消費増税の影響を除けば1991年9月以来約31年ぶりの高い上昇率を示した。円安の進行は輸入物価の高騰を招き、企業や家計の負担が増す。今回の政府・日銀の為替介入は、行き過ぎた円安を容認しないとのメッセージとしてその意義を評価したい。
政府・日銀は今後、為替動向に応じた断続的な円買い・ドル売り介入や“口先介入”を実施することが想定される。だが米国は11月の中間選挙を見据え、インフレ退治を最重要課題に掲げる。米国の消費者物価指数は8月に前年同月比8・3%上昇している。日米金利差から円安に傾きやすい環境にあるほか、政府・日銀もドル売りに必要な外貨準備にも限界がある。円安圧力が為替介入の効果を上回りかねないことに留意したい。
米FRBによると、米国の10―12月期の消費者物価指数は前年同期比5・4%の上昇に改善する。米国のインフレが抑制され、利上げペースが緩和されるまで為替動向に警戒したい。
(2022/9/23 05:00)
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