(2022/10/26 05:00)
発注側の経営者が下請け中小企業との取引適正化を宣言する「パートナーシップ構築宣言」の登録企業が1万5000社を超えた。資源・原材料の高騰分を適正に価格転嫁することを促すのが目的で、中小企業の賃上げ原資を確保する狙いも込める。
経済産業省・中小企業庁が推進する同宣言は2020年7月から登録を開始。宣言企業はウェブサイト上で社名を公表する。この2月と9月のデータを比較すると、宣言企業は6004社から1万4269社に2・4倍に大幅に増え、足元は1万5600社を超す。
発注側の親事業者は中堅・中小企業が多くを占め、大企業の「宣言」不足が課題だった。だが2月の534社に対し9月は1・8倍の945社に増えている。この流れを加速したい。
政府は3月以降、事業者団体や大企業への働きかけを強めたほか、7月には下請け取引のあり方を示す「振興基準」を改正し、「宣言」を親事業者の努力義務にしたことも奏功したようだ。
円安の進行は輸入物価を上昇させ、中小企業の収益を直撃する。受発注間で適正に利益を分かち合う共存共栄の関係構築は「成長と分配の好循環」に直結する。大企業は積極的に宣言してほしい。
(2022/10/26 05:00)
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