産業春秋／バイデン大統領、広島サミットに出席

バイデン米大統領が１８日に来日し、同日に広島市で日米首脳会談に臨む。１９―２１日の日程で開催する先進７カ国首脳会議（Ｇ７広島サミット）に出席した後、２４日にはシドニーで開く日米豪印の協力枠組み「クアッド」に参加する予定だ。

過密スケジュールのバイデン大統領だが、米国債が６月１日にも債務不履行（デフォルト）に陥りかねい状況を受け、Ｇ７広島サミットへはオンライン参加の可能性もあった。だが中ロに足元を見られかねず、訪日は当然の決断と言えよう。

バイデン大統領は１６日に共和党のマッカーシー下院議長らと会談し、米連邦政府による債務上限（発行できる国債の上限）引き上げについて協議する予定。米国初のデフォルトとなればそれが短期間でも金融市場は大混乱する。

財政規律を重視する共和党にバイデン大統領が若干譲歩し、一部歳出削減することでデフォルト回避の議会承認を得るのか。与野党は世界経済に配慮した決断が求められる。

Ｇ７広島サミットは世界経済も大きなテーマの一つだ。米欧でくすぶる金融不安の緩和、中ロを念頭に置いた供給網の強靱化、途上国の債務問題など課題は山積する。これ以上議題を増やしてはならない。