産業春秋/株価3万円台の大台に

(2023/5/18 05:00)

日経平均株価が17日に3万円台の大台に乗った。終値は前日比250円60銭高の3万93円59銭。堅調な個人消費や企業業績、さらに円安傾向などを株式市場は好感した。ただ世界経済の先行き不透明感は拭えず、一喜一憂は慎みたい。

内閣府が17日に発表した1―3月期の実質国内総生産(GDP)成長率(速報)は年率換算でプラス1・6%。3四半期ぶりのプラス成長だったことも株価を押し上げた。コロナ禍の行動制限が緩和され、GDPの過半を占める個人消費が前期比0・6%増と堅調に推移した。

米国の堅調な経済指標を受け、米金融引き締めが長期化するとの観測から米長期金利が16日(現地時間)に上昇。つれて円安基調になったことも日本株には追い風になった。

懸案の米債務上限問題は16日(同)のバイデン大統領とマッカーシー下院議長らの会談で協議継続となった。マッカーシー氏は「今週末までの合意は可能」としており、6月1日とされる債務不履行は回避されると期待したい。

もう一つの懸案が米欧にくすぶる金融不安と世界経済の行方。あす19日に開幕する先進7カ国(G7)広島サミットでは、株式市場が好感するメッセージを力強く発信してほしい。

(2023/5/18 05:00)

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