産業春秋/米国より深刻な日本の財政

(2023/5/30 05:00)

米政府の債務上限を引き上げることで、バイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が基本合意した。31日(現地時間)の議会採決で承認されれば、6月5日とされる米国初のデフォルト(債務不履行)を回避できる。

共和党が求める歳出削減を前提に債務上限を2年間引き上げる内容。民主・共和両党とも互いの譲歩に批判的な指摘があるものの、29日の東京株式市場は好感し、日経平均株価は3万1000円台を回復した。

翻って日本の財政。日本は米国のように発行できる国債総額を定めた法律がない。財政法で発行が禁じられた赤字国債も、特例公債法を行使し発行し続けている。日本の財政事情は米国よりも深刻であることに留意したい。

財務省によると、国内総生産(GDP)に対する債務残高の比率は、2022年(暦年、推計値)に米国が125・6%で、日本は262・5%に達し主要国で最悪の財政状況にある。

厳しい財政事情の中、岸田文雄政権は増税なしに「異次元の少子化対策」を講じるという。安定財源を確保し、持続的な施策を果たして実現できるのか。日本にデフォルトの懸念はないものの、財政規律の重要性は再認識しておきたい。

(2023/5/30 05:00)

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