(2024/2/24 16:50)
世界最大の半導体受託製造(ファウンドリー)である台湾積体電路製造(TSMC)は24日、熊本県菊陽町で建設を進めていた第1工場の開所式を現地で開き、日台の官民首脳が出席した。あいさつに登壇したTSMC創業者の張忠謀氏(モリス・チャン)は「半導体製造の日本におけるルネサンスの始まりと信じている」と祝いの言葉を贈った。
第1工場は敷地面積約21・3ヘクタールで、2024年末の稼働を予定する。回路線幅12ナノメートル(ナノは10億分の1)などのロジック半導体を生産する。国内にロジック半導体の大規模供給拠点ができることで、半導体サプライチェーン(供給網)の強靱化につながると期待される。
併せてTSMCは熊本県内に回路線幅6ナノメートルなどのロジック半導体を生産する第2工場の建設を決めている。同日、開所式に出席した斎藤健経済産業相は、第1工場と同様に巨額の財政支援をすることを表明した。「人工知能(AI)や自動運転などの需要が拡大し、同時に消費電力の削減も求められていく中で、(第2工場は)わが国のこうした要請に応える先端半導体の安定供給に大きく資するものだ」と支援の意義を強調した。
両工場の総設備投資額は200億ドル(約2兆9600億円)を見込み、日本政府の支援は併せて約1兆2000億円となる。
開所式後、蒲島郁夫熊本県知事は「多くの関係者が参加した華やかな開所式が、今後の発展を暗示している」と喜んだ。堀田祐一JASM社長は「モノづくりの品質を高める以上に熊本の自然との共生を図っていく。環境にやさしい半導体工場を目指す」とし、「第2工場を含めて3400人の採用を計画している。住みやすく、将来発展性のある熊本に多くの人に集まってもらい会社を構成したい」と期待した。
(2024/2/24 16:50)