円下落、152円台に迫る 33年ぶりの水準に

(2024/3/27 17:00)

  • 強い円安圧力で151円台の水準が続いている

27日の東京外国為替市場は、円相場が一時1ドル=152円台に迫り、1990年7月以来33年ぶりの円安ドル高水準となった。日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりに利上げを決定した。だが、緩和的な金融環境が続く見通しから日米金利差は縮まらず、強い円安圧力が続いている。

18日まで1ドル=150円を割っていた対ドル円相場は、日銀の金融政策決定会合が行われた18日から19日にかけて大幅に下落し、1ドル=151円台の安値水準が続いている。足元では歴史的な1ドル=152円に迫る勢いとなった。

日銀がマイナス金利を解除して利上げに踏み切れば、日米金利差の縮小を意識して円高が進むと予想されていた。だが今はその逆の動きとなっている。日銀は追加利上げに慎重な姿勢を示しており、日米金利差はしばらく大きな水準が続くとみられるためだ。

25日には神田真人財務官が「今の円安の動きは、ファンダメンタルズに沿った方向というわけではなく、明らかに投機が背景にある」「すでに準備ができている」と介入を示唆する発言をしたが、円高ドル安に振れる動きになっていない。市場関係者は「実弾介入は実施されていない可能性が高い」とみる。ただ足元の円安水準を受け、介入実施の可能性は高まっているとみられる。

今後のドル円相場を見通す上で米国の利下げのタイミングが焦点となる。米連邦準備制度理事会(FRB)は19ー20日(現地時間)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で5会合連続となる政策金利据え置きを決めた。市場では6月にも利下げする観測がある。市場が利下げを織り込み始めればドル安方向に転じ、円安圧力が和らぐ可能性が高い。

(2024/3/27 17:00)

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