インタビュー/オーケーエス・田中達也氏 「仕事は断らず、やれる方法考える」

(2024/4/9 12:00)

オーケーエス(愛知県岡崎市、太田裕一郎社長)は自動車部品製造用の治具を主に手がける。最新のデジタル技術と長年培った職人技を併せ持つ同社にあって随一の“職人”田中達也氏に話を聞いた。

  • 若手、後輩たちには「やってみせることが大事」と語る田中氏

―仕事のこれまでと現在を教えてください。

「1984年に入社し、木製(=木型)の治具やゲージ、木型モデルを製作してきた。自動車部品の測定や寸法確認、溶接用の台座などの仕事が多かった。量は減っているが現在も会社として大事な事業だ。2004年くらいに木型から金属製(=金型)の製作に移った。ここ3、4年くらいは金型の若手にアドバイスする立場になり、23年夏ごろから木型の仕事をしている」

―木製、金属製、樹脂製と、顧客に最も適した素材で作れるのがオーケーエスの強みです。仕事の難しいところはどんな点ですか。

「木型で始め、その後金型に移ったが、図面を読むのは同じ。顧客の製品図面を見て、いかに精度を上げるか、どういう加工法や道具ならば良いものが作れるかを考える。我々の製品は、顧客が測定や寸法確認、作業をするためのもの。複雑過ぎるものはダメ。最適なものを図面から読む。金型はCADを使ってモデリングするが、木型は今も作り方は同じだ」

―若手、後輩たちにはどう接しますか。

「やってみせることが大事。これが一番早い。今は若手に一通り教えたところで、基本的な部分は安心だ。おだやかにいつもと変わらず接することが大事だと思う」

―後輩たちに伝えたいことはありますか。

「とにかくけがをしないよう、集中力を切らさないこと。きちんと作業しないと危険な工作機械を使っている。いろいろな場面で声をかけてあげるようにしている」

―会社人生で大切にしてきたことは。

「依頼された仕事を断らずに何とかこなすこと。どうやったらできるだろうかと、やれる方法を考えてみる。製作するために必要な治具もそうやって作ってきた」

―モチベーションを保つ秘訣(ひけつ)はありますか。

「オンとオフの切り替えかな。ボルダリングをはじめ各種のクライミングが好きで20年くらいやっている」

(2024/4/9 12:00)

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