インタビュー/八幡ねじ社長・鈴木則之氏 独自検定でプロ集団養成

(2024/6/12 12:00)

八幡ねじ(愛知県北名古屋市、鈴木則之社長)は、産業向けのネジなどの締結部品の開発・製造・販売と、一般消費者向けの日曜大工(DIY)商材の企画・製造・販売を手がける。必要な知識が幅広いため、ネジや締結に関する知識を体系化した社内資格「ねじプロ検定」を設定し社員教育に生かしている。鈴木社長に検定について聞いた。

―「ねじプロ検定」が3年目を迎えました。

「初級・中級・上級の三つの段階に分けており、合格すると次の階層の受験資格を得られる仕組みで、1年に1度実施する。上級の検定実施は3回目となる今回が初めてで、このほど上級に合格した『ねじマイスター』が4人誕生した。勉強すれば合格する検定は、公平に全員にスポットライトが当たる。合格者は、業務で扱う商材が多い社員や真面目にコツコツやっている社員が多く、彼らの知識量が日々の業務を支えていることを再確認した」

―どういった内容の検定ですか。

「入社3―4年の若手社員を主な対象とし、強制ではなく自由参加で受験者を募る。意外と2年目までの新人の受験希望も多かった。自己研さんの一環であるため、直接は評価への反映がないにもかかわらず、これまで累計約130人が受験した。試験範囲は必須の基礎知識である締結の原理から始まり、日本産業規格(JIS)や製造方法まで。また、産業用途向けの部署なら金属加工の知識、ホームセンター向けの部署なら扱う商材の材料の知識など選択科目も設定している。細かく専門的なレベルまで網羅しているためテキストは700ページほどになる」

―検定実施の経緯、目的は。

「『勉強しろ』とだけ言っても、何を勉強したらいいのか分からないと思う。学んでほしいことを具体化してテキストに落とし込んである検定は、会社で必要な知識を体系的に学べる良い方法だ。挑戦することで全体像も見える。当社は2020年に、10年後を見据えて『開発を通じて未来を拓(ひら)く』という長期ビジョンを設定した。顧客の課題を正しく捉え、解決へ導くことも開発型の会社になるための基盤として必要だ。検定を通じてネジのプロの集団を目指す」

(2024/6/12 12:00)

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