インタビュー/セルリアンタワー東急ホテル・唐川浩美氏 顧客の求めを感じ臨機応変

(2024/7/2 12:00)

背筋をピンと伸ばしたベテランのホテルマンはホテルの高級感や信頼感の一翼を担う。セルリアンタワー東急ホテル(東京都渋谷区)バンケットサービスシニアディレクターの唐川浩美氏に接客の極意などを聞いた。

  • お客様の笑顔が一番と話す唐川氏

―結婚式や大規模会議、パーティーなどでどのような仕事をするのですか。

「お客さまをよく観察し、現場の強い場所と弱い場所を見極め、スタッフに声をかける。来場者が1000人規模の会はうまく旗を振ることが大事だ。自分でも接客し、やり方を示す。服装や年齢、言葉遣い、声の大きさなどの情報と経験値からお客さまの求めるものを考え、応対する時の話し方から歩く速さまで全てを変える」

―接客していて印象的だった出来事は。

「お客さまの車イスを丁寧に押して、丁寧に案内したところ、『早くして』とお小言をいただいた。何度も接客したことがある優しい方だが、その時は予定の時間が迫っていた。声がけもしなければ、本当に良いサービスはできない」

―ホテルで働く人の年齢層も多様です。

「若い人は勉強熱心でとても感心するが、とっさに力を発揮できない人もいる。安全や確実さを追求したサービスのマニュアル化が原因の一つだ。ベテランとして責任を感じる。私は厳しくも優しいお客さまに恵まれ、叱られて褒められて成長した。若手が良いお客さまに出会えるように仕掛けを考えたい」

「一方、多くのホテルを渡り歩いてきたベテランにはサービスにクセを持つ人もいる。これまでの経験を伝承し、セルリアンタワー東急ホテルとしてのサービスを求めていく」

―若手にはどんなアドバイスをしますか。

「普段の生活でも人間ウオッチをするように伝えている。例えば、夜に子ども連れで出かけた理由や若者と年配の人の2人連れの関係は何だろうか。正解しなくてもいいので考えて、感性を磨き、気付くことが大事だ。接客のヒントになる」

―モチベーションの源は。

「お客さまが『楽しかったよ』と言って、笑顔で帰ってもらうことが一番だ。そのためにも日々感性を磨き、お客さまをよく見て、話をして接客する」

(2024/7/2 12:00)

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